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溶剤塗装ラインでのトラブル対策
 溶剤形工業用塗料の塗装トラブル対策集です。該当するトラブル項目をクリックしてください。
 
1.色違い・光沢違い  2.ピンホール・わき  3.流れ・たれ  4.硬度不足  5.乾燥不良  6.ゆず肌(オレンジピール)  7.つや引け(光沢不足)  8.スケ  9.つぶ・ごみ  10.色わかれ・まだら  11.密着不良  12.相はぎ性不良  13.へこみ・はじき  14.リフティング(チヂミ)  15.参考資料
 
1.色違い・光沢違い
塗膜の色相・光沢が指定(標準板)どおりに仕上らないこと。
(注)事前チェックで,ロット塗板と標準板と比べ色相・光沢の差異がなかった場合。
→ 膜厚は適正ですか。
  ・ 規定膜厚にする。薄膜の場合,スケて地肌の色の影響を受ける。
→ 塗装機は変っていませんか。
  ・ 塗装機種(エアスプレー,エアレス,静電塗装機など)によって色相は変るので,同じ塗装機で行う方が好ましい。
→ 塗料のロットは変っていませんか。
  ・ ロットが変ったばかりか,古いロットのものではないかチェックする。
→ 塗料のかくはんは十分ですか。
  ・ 十分にかくはんを行い,塗料を均一にする。
→ 塗装粘度は適正ですか。
  ・ 塗装粘度により色・つやが変るので,適正粘度で塗装する。
→ 吐出量・霧化圧は適正ですか。
  ・ 吐出量・霧化圧により色・つやが変るので,適正な吐出量・霧化圧で塗装する。
→ 乾燥条件は適正ですか。
  ・ 焼付けの場合
・オーバーベークの時に変色やつや引けが起こります。
・炉内温度を測定して,焼付け温度と焼付け時間を調整する。
・ 常温乾燥の場合
・温度・湿度の影響で白化することがある。温・湿度に注意。
・常乾塗料を常温乾燥した場合と強制乾燥した場合とでは,色違い・光沢違いが起こることがある。
→ 異種塗料が混入していませんか。
  ・ 新しい缶の塗料でチェックする。
→ メタメリズムではありませんか。
  ・ 色を見る時の光源の種類によって色相が違ってくる現象。同じ塗料で標準板を作ること。
仕上り肌の状態を標準板に近づけること。他社塗料(標準板)との違い。
→ 熱復元性ではありませんか。
  ・ 特に,赤系の色は焼付け直後まだ被塗物が冷えないうちに観察したのとでは,色相は違っている。
通常焼付け後1日放置して観察する。(急ぐ場合は水で冷やして見る。)
→ 標準板は汚れていませんか。
  ・ 汚れているもの,有効期限の過ぎたものは更新する。
→ 再塗装ではありませんか。
  ・ 研ぎを入れる。
→ 2液形塗料の場合,混合比は規定どおりですか。
  ・ 混合比を規定どおりにし,よくかくはんする。
→ シンナーは適正ですか。
  ・ 溶解力の弱いシンナーを使用すると、色・つやが変わるので、適正なシンナーを使用する。
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2.ピンホール・わき
塗面に針穴のような小さな穴や突起があるものをわきといい,被塗物の素地から塗膜表面まで達しているものをピンホールという。
(注)わきは,ごみと間違いやすいので注意。
→ 厚膜になっていませんか。
  ・ 適正膜厚に調整する。
→ 希釈シンナーは適正なものを使用していますか。
  ・ 規定のシンナーで塗装する。
→ 塗装粘度が高くはありませんか。
  ・ 塗装粘度を下げる。蒸発の遅いシンナーに変更する。
→ 気温が急に高くなっていませんか。
  ・ 塗装粘度を下げる。蒸発の遅いシンナーに変更する。
→ セッティング時間が短くありませんか。
コンベアスピードが早くなっていませんか。  
  ・ 規定時間にする。
生産性などの関係でセッティング時間を短くする場合は,
・塗装粘度を下げる。
・蒸発の遅いシンナーに変更する
・塗装方法を検討する
など調整が必要
→ セッティング室の温度は高くありませんか。
  ・ 塗装粘度を下げる。蒸発の遅いシンナーに変更する。セッティング室の温度を下げる。
→ セッティング,乾燥場の風速が強過ぎませんか。
  ・ 風速を調整する。シンナーの蒸発を遅くする。
→ 被塗物の温度が高くありませんか。
  ・ 被塗物の温度を下げる。塗装粘度を下げる。蒸発の遅いシンナーに変更する。
→ 焼付け温度の立上がりが急激に高くなっていませんか。
  ・ 急激な加温は避ける。炉温測定を行い,炉内条件の調整を行う。
蒸発の遅いシンナーに変更する。
→ 吐出量は多くありませんか。
  ・ 吐出量を下げる。吐出量が多くなる原因を調査すること。
→ 塗装機は変っていませんか。
  ・ 変っている場合は,塗装条件を再設定する。
→ 塗装工程は変っていませんか。
  ・ 変っている場合は,塗装条件を再設定する。
→ ブース内の風速が早く,指触乾燥が早くなっていませんか。
  ・ 風速を下げる。
ブースの標準的な風速
手吹ブース,REAブース: 0.3〜0.7m/sec
静電ブース       : 0.1〜0.5m/sec
塗装粘度を下げる。蒸発の遅いシンナーに変更する。
→ 塗料のロットは変っていませんか。
  ・ ロットが変ったばかりか,古いロットのものではないかチェックする。
→ 異種塗料が混入していませんか。
  ・ 新しい缶の塗料でチェックする。
→ 圧送圧が高くはありませんか。
霧化圧が低くはありませんか。
  ・ 圧送圧が高い場合は,適正圧に下げる。
・ 低い場合は,霧化が悪くなるので適正圧に上げる。
→ 圧送タンクの中の塗料のかくはんが極端に早くありませんか。
  ・ かくはんをゆるやかにし,泡の発生を押える。
→ 被塗物と熱源までの距離が近過ぎませんか。
  ・ 適正な距離にする。特に,赤外線ランプ使用の場合は注意。
→ 赤外線ランプを使っていませんか。
  ・ 局部的な加熱があるので,ランプの位置を変えたり,ワット数を変えたり設備調整を行う。
→ 塗装後流れ,たまりがありませんか。
  ・ 均一な膜厚に塗る。塗装後観察をする。
→ 亜鉛メッキ,鋳物,アルミの材質を使っていませんか。
  ・ 塗装条件を再設定する。塗装前に空焼きを入れる。(ガスピン)
→ 被塗物表面に小さな穴,あるいは下塗り塗面に穴はありませんか。
  ・ 穴埋め工程を入れる。
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3.流れ・たれ
塗装直後,または乾燥中に塗膜が流れることをいう。
→ 一度に厚塗りをしていませんか。
  ・ 規定膜厚に調整する。厚塗りが必要な場合は塗装間隔をあけ,塗り重ねる。
→ 吐出量が多過ぎませんか。
  ・ 吐出量を調整する。
→ 希釈シンナーに蒸発の遅いものを使っていませんか。
  ・ 適正なシンナーを使用する。
→ 塗料粘度が低くありませんか。
  ・ 適正な粘度に調整する。
→ 塗装粘度が高いか,塗膜の指触乾燥が早く肌あれを起こし,そのために厚塗りになっていませんか。
  ・ 適正な粘度に調整する。
・ 適正なシンナーを使用する。
・ 規定膜厚に調整する。
→ 希釈シンナーの溶解力が悪くはありませんか。
  ・ 溶解力のよいシンナーを使用する。
→ 微粒化が悪くありませんか。
  ・ 塗装機,塗料の仕様を十分に確認して,塗装条件を再設定する。
・ 適正なシンナーを使用する。
→ ブース内の風速は早くありませんか。
  ・ パターンに乱れを起こしやすく,膜厚分布に差が生じるので風速を調整する。
→ ブース内の温度は低くありませんか。
  ・ 冬場の早朝,夕方の気温の低いときに注意する。
・ 蒸発の早いシンナーを使用する。
・ エアコンディショニングをする。
→ 部分的に不良となっていませんか。
  ・ 吐出量の調整,吊り方,塗装機の配置などのバランスを考える。
→ 被塗物のゆれが原因となっていませんか。
  ・ ゆれをなくす。コンベアのノッキングなどを調整する。
→ ハンガーピッチのバランスはとれていますか。
  ・ 特に端の部分が流れやすいので,適正なピッチにする。
→ セッティング時間は短くありませんか。
  ・ 焼付け乾燥の場合,セッティング時間が短いと乾燥初期に流れることがある。
蒸発の早いシンナーを使用する。塗装条件を再設定する。(標準セッティング時間は約10分)
→ セッティング室,乾燥室中の溶剤の濃度が高くありませんか。
  ・ 排気を十分にする。
溶剤ベーパー濃度や,湿度が高いと塗膜中の溶剤の蒸発が遅れ,流れの原因となる。
→ 被塗物の形状が複雑ではありませんか。
  ・ 凹凸部は特に注意する。塗装順序を検討・変更する。
→ コンベアスピードが早過ぎませんか。
  ・ 吐出量が多く必要となるため,塗装条件を再設定する。
→ パターン幅は狭くなっていませんか。
  ・ 適正なパターン幅で塗装する。
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4.硬度不足
乾燥塗膜が所定のかたさに達しない場合を硬度不足といい,塗膜表面に傷がつきやすいなどの問題を伴う。
(常乾形の乾燥不足とは区別して考える。)なお,硬度測定の簡便法には,鉛筆引っかき値で破れ,すり傷法,および爪による方法がある。
→ 乾燥温度は低くありませんか。
→ 乾燥時間は短くありませんか。
  ・ 規定の乾燥条件にする。特に焼付けの場合は,炉温測定を行うこと。
→ 被塗物の形状は変っていませんか。
→ 被塗物の材質が肉厚ではありませんか。
  ・ 形状,材質を調査し,熱伝導性が悪い場合は焼付け時間を延長するか,焼付け温度を上げる。
→ 部分的に硬度不足の傾向はありませんか。
  ・ 炉温測定で各部位の温度を測定し,部位毎の温度差をなくす。
特に赤外線乾燥炉の場合は,温度分布が不均一になりやすい。
→ 膜厚が厚過ぎませんか。
  ・ 適正な膜厚にする。
→ 塗料のロットが変っていませんか。
  ・ ロットが変ったばかりか,古いロットのものではないかチェックする。
→ 被塗物が熱いときに硬度の測定をしていませんか。
  ・ 被塗物が十分冷えてから測定する。(通常24時間後)
→ 測定する部屋の温度は高くありませんか。
  ・ 規定温度で判定する。(20℃)
→ 塗膜に可塑性物質(溶剤,可塑剤を含むプラスチックなど)の付着はありませんか。
  ・ 可塑性物質との接触を避ける。
→ 混合比は適正ですか。(2液形塗料)
  ・ 混合比を適正にし,よくかくはんする。
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5.乾燥不良
常乾の場合,所定の時間がきても塗膜の乾燥性が悪く,柔らかく,ときには粘着性が残ることをいう。
→ 乾燥室(場)の温度が低過ぎませんか。
  ・ 気温が極端に低い場合は,強制乾燥する。蒸発の早いシンナーに変更する。
→ 膜厚が厚過ぎませんか。
  ・ 規定の膜厚にする。
→ 部分的に乾燥不良の傾向はありませんか。
  ・ 部分的に厚膜になっており,均一な膜厚にする。
→ 塗料のロットが変っていませんか。
  ・ ロットが変ったばかりか,古いロットのものではないかチェックする。
→ 2液形の場合,混合比は適正ですか。
  ・ 混合比を適正にして,よくかくはんする。
→ 乾燥室(場)の溶剤の濃度が高くありませんか。
  ・ 排気を十分にする。
溶剤濃度が高かったり,湿度が高いと溶剤の蒸発が遅れ乾燥不良となる。
→ 塗膜に可塑性物質(溶剤,可塑剤を含むプラスチックなど)の付着はありませんか。
  ・ 可塑性物質との接触を避ける。
→ 希釈シンナーは適当なものが使われていますか
  ・ 気温に対して蒸発の早いシンナー,蒸発の遅いシンナーを使い分ける。
・ 特に2液形の場合には,規定のシンナーを使うこと。
・ 溶解力の弱いシンナーを使用すると希釈量が多くなり塗膜に溶剤が残り易くなるので、適正なシンナーを使用する。
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6.ゆず肌(オレンジピール)
塗膜の表面状態が,ちょうどゆずの外皮のように凹凸のある状態をいう。
→ 薄膜ではありませんか。
  ・ 規定の膜厚にする。
→ 希釈シンナーは速乾性のものではないですか。
  ・ 蒸発の遅いシンナーを使う。
→ 希釈シンナーの溶解力が悪くはありませんか
  ・ 溶解力のよいシンナーを使う。
→ 塗料粘度は高くないですか。
  ・ 適正な粘度にする。
→ 吐出量は少な過ぎませんか。
  吐出量を調整する。
→ ガンの運行速度が早過ぎませんか。
  ・適当なガンスピードにする。
→ ガンのノズルはつまっていませんか。
  ・ ノズルを洗浄する。ノズルつまりの原因を調べる。
→ 空気圧が高過ぎませんか。
  ・ 適正な空気圧にする。
→ 微粒化が悪くはありませんか。
  ・ 塗装条件を再設定し,微粒化をよくする。
→ 塗装機は変っていませんか。
  ・ 塗装条件を再設定する。
→ ブース内温度,セッティング室内温度が高くはありませんか。
  ・ 蒸発の遅いシンナーを使う。粘度を下げる。
・ 熱風炉とセッティング室・塗装室をエアカーテンで遮断する。
→ ブース,セッティング室,乾燥室の風速が強過ぎませんか。
  ・ 適正な風速にする。
→ セッティング時間が規定時間確保されていますか。
  ・ 規定時間にする。蒸発の遅いシンナーを使用する。
→ 塗装工程は変っていませんか。
  ・ 塗装条件の再設定する。
→ 塗料のロットが変っていませんか。
  ・ ロットが変ったばかりか,古いロットのものではないですか。
→ 下地塗膜の肌は悪くはありませんか。
  ・ 下地塗膜の肌をよくする。下地をペーパーで研磨する
→ 被塗物は変っていませんか。
  ・ 塗装条件を再設定する。
→ 均等に塗れるような吊り方や,ハンガーピッチになっていますか。
  ・ 適正なハンガーピッチや,吊り方にする。
→ ハンガーの接続部分が塗料などで汚れていませんか。
  ・ 静電塗装の場合,接続部分は常にクリーンにし,導通をよくしておく。
→ 素材の粗さ,または前処理の粗さはどうですか。
  ・ 素材表面の粗さをチェックする。塗装工程の再検討を行う。
→ 再塗装ではありませんか。
  ・ 旧塗膜をペーパーで研磨する。蒸発の遅いシンナーを使う。
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7.つや引け(光沢不足)
塗面がくもったり,ぼけたりしてつやの足りない状態をいう。
→ 薄膜になっていませんか。
  ・ 規定膜厚にする。
→ 希釈シンナーは適正なものを使用していますか。
  ・ 規定のシンナーを使う。溶解力のよいシンナーを使う。
・ 溶解力の弱いシンナーを使用すると、色・つやが変わるので、適正なシンナーを使用する。
→ 希釈シンナーの蒸発が早過ぎたり,遅過ぎたりしませんか。
  ・ 早過ぎる場合
スプレーダストの付着によりぼけることがある。
蒸発の遅いシンナーを使う。
・ 遅過ぎる場合
薄膜になりやすいので注意。
→ 焼付け温度は高過ぎませんか。
  ・ オーバーベークによるつや引けで炉温測定を行い,適正焼付け条件に調整する。
→ 塗装粘度が低過ぎませんか。
  ・ 低過ぎると膜厚が保持できず,ぼけることがある。適正な粘度に調整する。
→ 前処理による吸込みではありませんか。
  ・ 前処理の状態を調べる。
→ 下地による吸込みではありませんか。
  ・ 下地の状態を調べる。
→ ブース,セッティング室・乾燥室(場)の湿度が高くありませんか。
  ・ 塗面に水が結露してブラッシング現象を起こし,つや引けとなる。
・ 環境を低湿度にする。
・ 常乾の場合,強制乾燥すると効果がある。
→ 塗料のロットが古くないですか。
  ・ 古いロットのものではないかチェックする。
→ 塗料のかくはんは十分されていますか。
  ・ かくはんを十分にする。
→ 異種塗料が混入していませんか。
  ・ 新しい缶の塗料でチェックする。
→ オーバーダストではありませんか。
  ・ オーバーダストにならないよう排気や塗装設備,塗り方,塗装条件など検討調整する。
→ 塗装工程(特に下塗り塗料)が変っていませんか。
  ・ 適正な塗装工程にする。
特に顔料の多い下塗り塗料を Wet on Wet で塗装したり,パテの上に直接
上塗りを塗装すると,吸込みによるつや引けが起こることがある。
→ 微粒化が悪くはありませんか。
  ・ 溶解力のよいシンナーを使う。塗装粘度を下げる。
→ ガスチェッキングではありませんか。
  ・ 乾燥炉の状態を調べる。特に朝の立上り時,昼休み後の立上り時に注意。
・ バーナーの燃焼状態を調べる。
→ 色わかれはしていませんか。
  ・ 色わかれの状態を調べ,色わかれを防止し再チェックする。
→ 被塗物温度がブース温度に比べ著しく低くないですか。
  ・ 被塗物が結露しやすくなり、塗面がつや引けを起こすため被塗物温度を暖める。
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8.スケ
塗膜がスケて素地(下地)が見えるような状態をいう。特にエッジ部はスケやすく,これを「角スケ」という。
隠ぺい力不足と混同されることがある。そのほかに,さば雲状にスケる場合もある。
→ 薄膜になっていませんか。
  ・ 規定の膜厚にする。
→ 希釈シンナーは適正なものを使用していますか。
  ・ 規定のシンナーを使う。
・ シンナーの蒸発が早過ぎレベリングが不良で,さば雲状にスケているときは 蒸発の遅いシンナーを使う。
・ シンナーの蒸発が遅過ぎ規定の膜厚が確保できないときは,蒸発の早いシンナーを使い規定膜厚にする。
→ 塗装粘度は低くありませんか。
  ・規定の粘度に上げる。
→ 吐出量が多くありませんか。または少なくありませんか。
  ・ 適正な吐出量に調整する。
・ 吐出量が多過ぎると微粒化が悪くなり,さば雲状のスケとなる。
→ 気温が急に低くなっていませんか。
  ・ 蒸発の早いシンナーを使う。塗装粘度を上げる。
→ 霧化空気圧は低くありませんか。
  ・ 霧化空気圧を上げる。(低いと微粒化が悪くなる。)
→ 微粒化が悪くはありませんか。
  ・ 塗装条件を再設定し,微粒化をよくする。
→ 被塗物と塗装機までの距離は遠くありませんか。
  ・ 適当な距離に調整する。
→ 塗料のロットが変っていませんか。
  ・ ロットが変ったばかりか,古いロットのものではないかチェックする。
→ 塗料のかくはんは十分ですか。
  ・ 上澄液は隠ぺい力が悪いので注意。
→ セッティング室,乾燥室(場)内の溶剤濃度が高くありませんか。
  ・ 換気をよくする。
→ 塗装機は変っていませんか。
  ・ 塗装条件を再設定する。
→ 塗装工程は変っていませんか。
  ・ 塗装条件を再設定する。
→ 複雑な形状で部分的にスケていませんか。
  ・ 静電塗装の場合
シンナーの再検討により,まわり込みのよいものを使用する。
・ ベーパーウォッシュ
袋状内部などは焼付け時初期に揮発する溶剤により,塗面が洗い流されてスケる場合がある。
→ コンベアスピードが早過ぎませんか。
  ・ スピードを落す,塗装条件を再設定する。
→ 被塗物は変っていませんか。
  ・ 塗装条件を再設定する。
→ 静電塗装の場合,電圧が上っていますか。
アース不良になっていませんか。
  ・ 規定の電圧まで上げる。
・ 完全にアース(導電)しているかどうか調べる。
→ エッジ,角の部分がスケていませんか。
  ・ 蒸発の早いシンナーを使う。溶解力のよいシンナーを使う。
・ 塗り重ね時の塗装間隔を少しあける。
  黄系,赤系,青系の塗料は特にスケやすいので,その系統の色相を選択する場合,注意を要する。
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9.つぶ・ごみ
つぶとは,仕上り直後塗膜全面,または一部に現われる不規則な形をした角形,または円形のふくれ(突起)をいう。ごみとは,塗膜の部分的,または全体に美観をそこねる異物が付着している状態をいう。
→ ろ過装置に異常はありませんか。
  ・ ろ過装置をチェックし正常に戻す。
→ ブース,セッティング室,乾燥室,乾燥炉など汚れていませんか。
→ 汚れた容器に塗料を入れていませんか。
→ 塗装機器,ホースなど汚れていませんか。
→ 作業者の服装が毛羽立ったりしていませんか。
→ コンベアからの異物の落下ではありませんか。
→ ブース,セッティング室,乾燥室は開放されていませんか。
  ・ 清浄にする。
・ 外よりごみなどが飛来しないようにする。
・ ブース内の圧力を陽圧にする。
・ 作業服は防塵服にする。(軍手は避ける。)
→ スプレーダストではありませんか。
  ・ 塗装環境,および部位毎の塗装順序を再検討する。
→ 静電塗装機のヒゲの飛来ではありませんか。
  ・ 塗装仕様を再検討する。
→ 素材の表面にほこり,ごみなどの異物がついていませんか。
→ 下地の表面にほこり,ごみ,研ぎかすなどがついていませんか。
  ・ ブラシ,エアブローで除去する。
→ 下塗りがおかされていませんか。
  ・ 塗装系を再検討する。
→ 塗料のロットは古くありませんか。
  ・ 古いロットのものではないかチェックする。
→ 塗料中に異物がありませんか。
  ・ 金網でろ過して残渣を調べる。
→ 長期間保管した希釈塗料を使用していませんか。
  ・ 沈殿物がつぶの原因となる。ろ過して使用する,または廃棄する。
→ 異種塗料が混入していませんか。
  ・新しい缶の塗料でチェックする。
→ 塗料のかくはんは十分ですか。
  ・ 均一になるよう十分かくはんする。
→ 塗料に皮張りがありませんか。
  ・ ろ過して使用する,またはロットの変更。
→ 季節的に発生する傾向はありませんか。
→ 時間的に発生する傾向はありませんか。
  ・ 季節風,時間帯によりごみ,つぶが付着することがある。
・ 発生する条件をつかみ改善する。
→ 気温が極端に低過ぎませんか。
  ・ 厳冬期に凝集の起こる塗料もあるので,貯蔵に注意する。
→ 希釈シンナーは適正なものを使用していますか。
  ・ 指定のシンナーを使う。
→ 発生する場所は特定の傾向がありませんか。
  ・ 塗装環境の見直し,またはピンホールではありませんか。
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10.色わかれ・まだら
塗膜上のまだら,斑点状の色むら (Floating) や縞状,線状の色むら(Silking) がある。
また塗膜の広い範囲,あるいは塗膜